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1)アフリカ編 ケニヤ共和国
2) セネガル共和国
3)中米編 パナマ共和国
4)南米編 ブラジル共和国(次回)
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冨田健太郎(Dr.Kentarou Tomita)、
日本ニーム研究協会 技術顧問
1)ケニアにおけるNeemの利用状況
筆者はJICA専門家時代、海抜1700mにある首都ナイロビ市に居住していたが、Neemの群
生が観察されたのは海抜500mからそれ以下の地帯であった。著者はキブエジ地区を訪問し たが、ここは雨季が始まる頃、マラリアを媒体するハマダラカが繁殖するため、 現地では Neemの果実はマラリアの薬として利用されていた。
ケニアにおいては農民のほとんどがNeemの特性充分に理解しているものと判断した。現在
同国は炭やマキ等の需要が高く、森林の違法伐採が顕著化している状況である。
炭は燃料用のみならず土壌改良資材としての用途もあり、土壌病害の軽減に大きく貢献する
ことが知られている。しかし、森林の伐採は沙漠化を進行させ、環境破滅につながっていくこと は事実である。そこで、天然農薬、炭やマキ材、製材用、森林回復など、多目的利用樹である Neemの植林を積極的に行うことは、国際協力にとって重要な業務の一つであると思われる。
2)セネガルにおけるNeemの利用状況
筆者が赴任したのは、ファティック州にあるファティック地区であり、日中の温度は40℃を超え
る厳しい環境であった。この地、同国は内海の影響により、土壌の塩類化ならびに酸性硫酸 塩化が進んでおり、水田稲作や野菜の生産を阻害するという環境であった。
ところが、首都ダカール付近も含めてこのような不良な環境下においても、Neemの群落を見
つけることが出来たから、耐性の強い樹種のひとつとして大きな期待が持てるものと考えた。し かし、セネガルの小農にとっては、Neemの果実をすりつぶして其の果汁を天然農薬として利 用する習慣がなく、自然に放置されているという状況であった。
筆者は数多く熱帯諸国に赴任しているが、セネガルの日中の気温は40℃を超えるもので、今
では訪問した国の中では一番厳しい環境であったように思う。もちろん、日中の外出は非常に 辛く、現場に於ける聞き取り調査も午後3時を過ぎなければ出来なかった。このことは、セネガ ルの小農にとっても同じことであり、重労働となる農作業を行うことは嫌う傾向にあることが
考えられる。いずれにせよ、Neemを植栽し、果実の中の有効成分を抽出して、その原液を販
売するなど、農業生産と薬剤生産という二方向を考えていかなければならないだろう。
(The Utilization of Neem on Low Input Sustainable Agriculture)
3) パナマ共和国パナマの劣悪な酸性土壌(アルティソル)での挑戦
筆者は、1994年から、パナマの国立農牧研究所(Instituto de Investigacion Agropecuaria de
Panama : IDIAP)のスタッフとともに、劣悪なアルティソル土壌地帯(交換性Al含有量として約3 〜4meq/100ml含有している)において、土壌改良を含めた形で、Neemの植林試験を開始し た。
施肥処理区は、@Lime+N+P+K処理区、ALime+N+P処理区、BLime+N+K処理区、CLime+
P+K処理区、DN+P+K処理区、E複合肥料 (12-24-12) 処理区およびF対照区 (0-0-0) であ る。なお、樹1本当たりの施用量を、それぞれ60gN、120g P2O5、60g K2OおよびLime2,200gと した。そして、各樹種処理区は1区画 (18m×18m) 当たり、36本 (3m×3m間隔で) 植栽するた め、20cm程度の穴を開け、そこにこれらの肥料を施用し、穴を開けた土の一部を利用して覆 土した。その後、苗木を植付け、残りの土を利用して固定した (反復制は導入していない)。
3年間にわたるNeemの樹高の推移を示すが、Lime+N+P+K処理区の樹高が高く、苗木の初期
生育にとって、石灰や各種肥料の施用が重要であることが分かった。しかし、Neemの生存数 に関しては、各処理区とも時間に応じて減少していくことが観察された。これはおそらく、石灰 の不足とAl障害によって生育が阻害されたものと思われる。つまり、試験の結果から、定期的 な施肥を継続しなければアルティソル土壌地帯では不適であると結論付けた。
この試験の結果より、移植して苗が5m程度に生長するまでは、年毎の定期的な施肥が必要
であるかもしれない。本試験は、筆者らにとっては一つの失敗であったが、プラスに解釈すれ ば、この反省は今後の栽培試験にとって多大な収穫であったように思っている。
いずれにせよ、Neemに限らず、導入地域における土壌理化学性を調べ、適切な施肥を含め
た形で植林を行い、地道な生育調査を行う姿勢は必要であろう。定期的な施肥を行うことによ って、勿論、コスト的な問題が生じてくるが、採用樹種の有益性・商売性を十分に検討し、総合 的に判断していく姿勢が必要であろう。
本文の掲載は別ベ−ジ
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